沖電気工業株式会社 様
シンプルな構成で使いやすい「Be Health」を導入することで、産業保健業務の運用を見直し。これまでの紙カルテの管理、事務的な作業から解放されました
課題・背景
- ・健康診断結果や面談記録等を紙カルテとして紙管理していたため、事務的な作業に多くの時間を費やしていた
- ・テレワーク勤務の拡充といった環境変化を受け、いつでも、どこからでも、産業保健スタッフがカルテを確認できる環境整備の必要性を感じていた
- ・紙カルテを保管するスペースを長期的に確保し続けることが難しかった
- ・健診機関から届く健康診断結果のデータ書式がそれぞれ異なるため、統一書式に変換させる事務的な作業が大変だった
コロナ禍・オフィスの再編で表出した課題は、「紙ベースでの健康管理」でした
貴社の業務内容についてお聞かせください。
三浦 様
OKIは1881年に創業し、日本で初めての電話機を作った会社です。現在は「社会の大丈夫をつくっていく。」をキーメッセージに、モノづくり・コトづくりの両輪から、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいます。注力分野の一つであるヘルスケア分野についてご紹介すると、研究開発のテーマの中で「睡眠改善」と、働く人に健康や生産性の向上をもたらす「行動変容」を掲げて研究開発に取り組んでいます。
健康推進チームの業務についてお聞かせください。
三浦 様
株式会社OKIプロサーブは、OKIグループ国内関係会社の共通業務においてシェアードサービスを展開しています。その中で、私たち健康推進チームは産業保健スタッフ(産業医、看護職)、一般スタッフが所属し、関東を中心とする6地区に健康推進室を設け、OKIグループ国内関係会社に勤務する社員の健康管理を行っています。
健康管理システム「Be Health(ビーヘルス)」導入前の課題を教えてください。
三浦 様
これまで健康診断結果などの健康情報を紙カルテで管理しており、紙カルテにおいて4つの課題を抱えておりました。
1.紙カルテの管理に付随する事務的な作業について業務効率を図る必要があったこと
2.テレワーク勤務の拡充により、いつでも、どこからでも、産業保健スタッフがカルテを確認できる環境、オンライン面談がスムーズに実施できる環境の整備が必要だったこと
3.長期的に紙カルテの保管スペースを確保することが難しく電子化が必要だったこと
4.健診機関から届く健康診断結果データについて異なる書式を変換させる事務的な作業について業務効率を図る必要があったこと
これら4つの課題を抱えていた中で、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックにより状況は急転しました。OKIグループは多様な人材が最大限に能力を発揮するため、また、ウィズコロナ/アフターコロナにおける生活様式を見据えた「スマート・ワークライフプロジェクト」を発足し社員の多様な働き方に対応できるようテレワーク勤務の拡充やオフィス再編など、タイムリーに着手していきました。健康管理においても同様で、プロジェクトの取り組みと連携しながら、テレワーク勤務でもオンライン面談がスムーズにできること、また、オフィス再編にあわせた書類の保管スペース削減を実現するため、紙カルテからいよいよ健康情報の電子化・データ管理に取り組むことになりました。
原 様
これまでは、産業医面談の際には事前に紙カルテを先生に渡す必要があったので、面談スケジュールに応じた必要な準備に時間を要していました。また、面談記録等は社員一人一人の紙カルテに直接記入し、また、必要な情報書類の切り貼りすることを手作業で行っていたので、紙カルテの管理に付随する事務的な作業に多くの時間を費やしていたことが大きな課題でした。
他にも、健康診断結果データ書式の統一も大きな課題としてありました。全国各地の健診機関から届く健康診断結果データ書式は健診機関毎に異なりますので、社内健康管理上に必要な書式へ統一変換する事務的な作業もとても大変な対応の一つでした。
シンプルであるがゆえにカスタマイズの選択肢が広がる、というのも「Be Health」ならでは
比較検討された中で、「Be Health」に決定いただいたポイントはどのような点でしょうか。
三浦 様
シンプルさに尽きますね。
色々比較した中には多機能なシステムもありましたが、自社においては、多くの機能をフル活用するイメージを持てずにいました。Be Healthでは、まずシンプルにスモールスタートさせて、そこから必要に応じて機能をカスタマイズなどで追加することができる点がポイントでした。真に必要な機能を中心とする活用方法をエヌ・エイ・シー(現エヌ・エイ・シー・ケア)に相談しながら進めていくことができました。
また、Be Healthには「健診データ統一ツール」も付属しているため、健康診断結果データの書式変換・統一の課題も同時に解決してくれる点は有難いと感じました。変換ツールがセットになっており、また、社員数の規模に応じた価格設定はランニングコストも含めて分かり易く助かりました。
「Be Health」導入にあたりご苦労された点はございましたか。
三浦 様
私自身はシステム専門の者ではありませんので、機微な健康情報をシステムで扱うにあたり、セキュリティ面を確実に担保することやシステム仕様設定の過程においては、難しさを実感しました。ただ、社内には頼れる有識者が複数いますので、社内部署を越えて力を借り、連携することで乗り越えることができました。
また、仕様設定では、どこまで機能をつけるかという点で当初は悩み、「あらかじめ機能を追加した方が便利なのではないか?」とご相談したこともありました。その際には、エヌ・エイ・シー(現エヌ・エイ・シー・ケア)の営業担当者からスモールスタートを提案して頂きました。まずはBe Healthを使って産業保健業務を運用し、真に必要なものは何かをじっくり考えるべきだという、押し売りではない提案には非常に好感が持てましたし、その考え方は、現在も健康推進チームで取り組み続けている業務の見直しにもつながっています。営業担当者が産業保健に対しても幅広い知見があったので、現場目線でのアドバイスをしてくださったことはとても参考になり、有難かったですね。
誰にでもできるような事務作業が無くなることで、専門職が本来やりたいことに取り組める環境が整いはじめました
実際に導入されてから、どのようにご活用いただいておりますでしょうか?これまでの産業保健業務と大きく変わったところなどがあればお聞かせください。
原 様
導入により、事務的な作業の課題がほぼ解決できました。
これまで電子カルテを扱ったことが無かったため、Be Health導入前は紙カルテの管理に付随する大変な事務的な作業を当然のこととして捉え対応していました。Be Health導入により、事務的な作業の負荷が非常に軽減されました。「業務効率化」という観点で時間換算をしてみたところ、個人面談にともなうカルテ準備の作業時間削減率は45%、異動等による個人カルテの引継ぎ業務の作業時間削減率は100%、面談記録等の個人カルテへの反映作業の時間削減率は60%と、事務的な作業の時間が大幅に減り、産業保健業務そのものである事後措置や健康増進活動などの専門職業務の時間や新たな業務見直しや、OKIグループ健康経営推進の新たな取り組みについて検討し実行する時間に充てることができるようになりました。
OKIグループ社員にとっては、Be Health導入により、地区の垣根をこえて気軽にオンライン面談、相談を受けられるようになりました。また、勤務地や働く場所を問わずに、産業医や看護職に相談できることで、相談相手の選択肢も広がったと感じています。
その他、Be Healthで一番使う機能は「面談記録機能」ですね。社員とのオンライン面談では、健康診断結果を画面上で互いに確認しながら、「5年前に比べて数値がここまで改善したね」と会話しながら面談できるため非常に有効な機能だと感じています。
Be Health導入の際には若干の不安を感じていましたが、Be Healthは画面表示もボタン操作もシンプルな作りなので、覚えやすくて助かりました。慣れるまでには半年ほどの時間を要しましたが、現在は操作に慣れBe Healthによる業務効率化を実感し始めています。
実際にお使いいただいて、「Be Health」がもう少しこうだったらいいのに、といった改善のご希望があればお聞かせください。
原 様
一番は、面談記録画面から面談結果を踏まえて産業医による就業判定を変更したいという点ですね。エヌ・エイ・シー(現エヌ・エイ・シー・ケア)のサポート担当者からは、Be Healthを2画面開いて片方で編集をするという手法を教わりましたが、やはり1画面で編集ができると産業医にとって便利だと思います。また、面談記録画面において過去の健診情報をスクロールしながら閲覧する際に「面談記録の入力部分」が追従する形になると便利ですね。
(もともとBe Healthは面談入力部分が追従する動きをしていたが、ノートパソコンでのBe Health利用が増え、画面を大きく見せるために追従しない形に変更をした経緯あり。今後は要望に応じて柔軟に対応予定)
三浦 様
世の中には健康経営の推進を背景に健康管理と共に組織分析機能などを持ちあわせたシステムが存在しますが、だからこそ、Be Healthは産業保健に特化していて欲しいと思います。その上で社員の健康診断結果を集計した平均値を経年で可視化するような機能があれば、産業保健スタッフも個人へのアプローチの他、集団に対するアプローチを検討し易くなると思います。また、健康指標として目標値を設定でき数値の推移を見られると良いですね。
「Be Health」を活用した産業保健業務の、今後の展望についてお聞かせください。
山本 様
産業保健業務に加えてOKIグループ健康経営推進の面においては、これまでの取り組みとして健康に関するセミナーの配信や睡眠改善プログラム、からだリフレッシュキャンペーンなど様々な活動を継続的に行いOKIグループ社員に発信しています。社員の健康意識の高まりに少しずつ手ごたえを感じています。Be Health導入により事務的な作業の工数を大幅に削減できたことで、今後は更に幅広な活動が展開できると考えます。
三浦 様
今はBe Healthをスモールスタートで使い始めている初期段階ですが、事務的な作業の業務効率をさらに改善していきたいと考えております。その取り組みにより、健康経営の推進や社員へのアプローチ施策の検討など、本質的な健康管理業務に充てる時間を確保できると考えています。社内外の環境変化にもタイムリーに対応しながら、社員の健康維持、増進を実現するために必要な産業保健環境を整え、今後も「社員の大丈夫をつくっていく。」存在として、一層取り組んでいきたいと思います。