緑内障について
視覚障害の原因疾患の第1位である緑内障。50歳以上の4~7%が罹患していると推計されており、かつ80%は未治療のままであることが問題となっております。
緑内障は眼圧により視神経が傷んでくる病気で、自分では気付かないうちに視野がだんだんと欠けていきます。失った視野は元に戻ることはなく、早期発見と早期の治療開始が重要となります。
眼底検査の重要性について
現時点では、眼底検査が緑内障の早期発見に最も適しているといえますが、その理由として以下のことがあげられます。
●初期には症状はなく、気づかないうちに進行してしまうこと
●かなり進行しても視力は保たれるので、視力検査ではわからないこと
●日本人では、眼圧が正常値を示す正常圧緑内障が9割以上を占めており、眼圧検査でも見逃してしまいがちであること
●眼底検査では、視神経の状態を直接チェックし、異常がないかを確認できる
眼底検査の受診機会
健康診断の機会を利用して、40歳以上のなるべく多くの従業員に、定期的に眼底検査を受診してもらうことが望まれます。しかしながら、定期健康診断では視力検査は法定(必須)項目ですが、眼底検査は法定外の項目となってしまいます。このため、人間ドックなどを活用して、会社補助や自費で独自に項目を追加していく必要が出てきます。
緑内障の疑いがあると言われたら
眼底検査で緑内障の疑い(視神経乳頭陥凹拡大)を指摘されたら、放置せずに早めに眼科を受診しましょう。早期に治療を開始することで、進行を遅らせ、生涯にわたって視野と視力を保つことも可能になります。なお、自覚症状がないからと放置してしまい、病状がかなり進行してしまってからだと、視野を保つことはかなり難しくなってしまいます。
目の健康を生涯にわたり保つためにも、定期的な眼底検査の機会をもち、異常を指摘されれば放置せずに速やかに眼科を受診し、緑内障の早期発見に努めましょう。
参考文献
・日本眼科医会. -目の病気の早期発見のためには眼底検査が大切です
https://www.gankaikai.or.jp/info/detail/kensindaiji.html