健康経営優良法人認定制度には、「健康経営度調査」と呼ばれるものがあります。これは、法人の健康経営の取組状況と経年での変化を分析するとともに、「健康経営銘柄」の選定及び「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定にあたっての基礎情報を得るために、平成26年度から実施されている調査です。
この調査票に回答・提出することで、健康経営優良法人認定制度(大規模法人部門)に申請することができます。中小規模法人部門から大規模法人部門へ申請を変更する予定の企業ご担当者様、はじめて大規模法人部門で認定を受けようとしている企業ご担当者の方は、ぜひこの記事をご参考ください。
健康経営度調査とは
健康経営度調査とは、法人の健康経営の取組状況と経年での変化を分析するとともに、「健康経営銘柄」の選定および「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定のための基礎情報を得るために実施している調査です。
経済産業省|健康経営度調査とは
健康経営優良法人認定制度では、大規模の企業等を対象とした「大規模法人部門」と、中小規模の企業等を対象とした「中小規模法人部門」の2つの部門が設けられています。申請をする際に、事務局ポータルサイトから健康経営度調査票をダウンロードし、回答・提出して評価を受けます。
大規模法人部門に申請した企業のうち、上場企業の中から選定される「健康経営銘柄」や、評価の高い上位500位の企業を認定する「ホワイト500」を目指す企業は、予めこの調査票の内容を把握した上で健康経営の取り組みを行うと良いでしょう。
健康経営度調査(2025)の項目
令和6年度の健康経営度調査の内容は、以下のような目次となっています。
基本情報
まずは、企業の基本情報について回答していきます。設問の目次は以下です。【Q1~Q16】
Ⅰ. 基本情報1
- 【Q1】業種
- 【Q2】組織形態と回答範囲
- 【Q3】回答範囲の従業員等人数
- 【Q4】健康経営優良法人への申請
- 【Q5】上場の有無、健康銘柄へのエントリー
- 【Q6】回答開示の可否
Ⅱ. 基本情報2
- 【Q7】従業員数と性年代構成
- 【Q8】正社員の平均勤続年数・平均年齢
- 【Q9】離職者数
- 【Q10】新卒・中途入社人数
- 【Q11】拠点別所属人数
- 【Q12】職種別構成比率
- 【Q13】業績
- 【Q14】一人当たり医療費
- 【Q15】法定福利費、法定外福利費
- 【Q16】取り組み開始時期
1. 経営理念・方針
健康経営度調査の「経営理念・方針」の大項目では、次のようなことが調査されています。【Q17~Q23】
Ⅰ. 経営上の課題に対する健康経営の戦略
- 【Q17】全社方針の明文化
Ⅱ. 社内外への情報開示
- 【Q18】社外公開
- 【Q19】経営トップの取り組み
- 【Q20】投資家との対話
Ⅲ. 自社従業員を超えた健康増進に関する取組
- 【Q21】取引先の考慮
- 【Q22】取引先の取り組みの支援
- 【Q23】グローバルでの健康経営実施方針
2. 組織体制
健康経営度調査の「組織体制」の大項目では、次のようなことが調査されています。【Q24~Q34】
Ⅰ. 経営層の体制
- 【Q24】健康づくり責任者の役職
- 【Q25】取締役会・経営会議などでの議題化
Ⅱ. 実施体制
- 【Q26】推進の統括部署
- 【Q27】専門職の担当者人数
- 【Q28】産業医・保健師の関与
Ⅲ. 健保組合等との連携
- 【Q29】保険者の種別
- 【Q30】保険者への従業員の健康診断データの提供
- 【Q31】健保組合等保険者との協議・連携
Ⅳ. 職場・従業員への浸透
- 【Q32】推進のための管理職に対する取り組み
- 【Q33】従業員組織との協議等
- 【Q34】健康経営推進担当者の役割
3. 制度・施策実行(1)従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討
健康経営度調査の「制度・施策実行」の大項目では、次のようなことが調査されています。【Q35~Q65】
Ⅰ. 健康課題に基づいた具体的な目標の設定
- 【Q35】健康経営の具体的な推進計画・数値目標
Ⅱ.健診・検診等の活用・推進
- 【Q36】従業員の健康診断の実施
- 【Q37】任意健診・検診受診率向上のための取り組み
- 【Q38】医療機関への受診を促す取り組み
- 【Q39】ストレスチェックの実施
3. 制度・施策実行(2)健康経営の実践にむけた土台作り
Ⅰ. ヘルスリテラシーの向上
- 【Q40】管理職への教育
- 【Q41】従業員への教育
- 【Q42】健診情報等の電子記録としての活用
- 【Q43】従業員自身がPHRを活用できるサービスの導入
Ⅱ. ワークライフバランスの推進
- 【Q44】適切な働き方の実現に向けた取り組み
- 【Q45】仕事と育児の両立支援
- 【Q46】育児制度の利用状況
- 【Q47】仕事と介護の両立支援
Ⅲ. 職場の活性化
- 【Q48】コミュニケーションの促進に向けた取り組み
Ⅳ. 仕事と治療の両立支援
- 【Q49】私病等に関する復職・両立支援の取り組み
3. 制度・施策実行(3)従業員の心と体の健康づくりに関する具体的対策
Ⅰ. 保健指導
- 【Q50】特定保健指導実施率向上のための施策
- 【Q51】特定健診・特定保健指導実施率の把握
- 【Q52】特定保健指導以外の保健指導
Ⅱ. 具体的な健康保持・増進施策
- 【Q53】食生活の改善に向けた取り組み
- 【Q54】運動機会の増進に向けた取り組み
- 【Q55】従業員の生産性低下防止のための施策
- 【Q56】女性特有の健康関連課題に関する知識習得
- 【Q57】女性特有の健康関連課題に関する取り組み
- 【Q58】長時間労働者への対応に関する取り組み
- 【Q59】メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
- 【Q60】常時使用しない従業員等の健康経営の取り組み
- 【Q61】高齢従業員向けの取り組み
- 【Q62】従業員の家族(被扶養者)向けの取り組み
Ⅲ. 感染症予防対策
- 【Q63】感染症予防に関する取り組み
Ⅳ. 喫煙対策
- 【Q64】喫煙率低下に向けた取り組み
- 【Q65】受動喫煙対策に関する取り組み
4. 評価・改善
健康経営度調査の「評価・改善」の大項目では、次のようなことが調査されています。【Q66~Q74】
Ⅰ. 各指標の状況
- 【Q66】従業員の健康診断の結果
- 【Q67】健康診断結果を踏まえた治療の状況
- 【Q68】ストレスチェックの集計結果
- 【Q69】正社員の労働時間・休暇取得の状況
- 【Q70】正社員の長時間労働の発生状況
- 【Q71】疾病による休職・退職者数の把握状況
- 【Q72】従業員や組織の活性度の確認
Ⅱ. 健康経営の推進に関する効果検証
- 【Q73】健康経営の実施についての効果検証
Ⅲ. 最終目標・経営上の課題に対する検証
- 【Q74】最終目標や経営上の課題の改善状況の検証
5. アンケート
- 【Q75】健康経営の取り組みに関するアピールポイント
- 【Q76】外部委託事業者の活用
- 【Q77】外部事業者のサービス活用時に重要視すること
- 【Q78】会議議題や対外的に発信した課題
- 【Q79】健康経営への取り組みで実感する効果
- 【Q80】健康経営優良法人認定によるメリット
- 【Q81】プレコンセプションケアの認知
- 【Q82】プレコンセプションケアに関する取り組み
- 【Q83】経済産業省の介護両立支援ガイドラインへの認知
- 【Q84】仕事と育児・介護の両立支援のユニークな取り組み
- 【Q85】機関投資家等への回答データ提供可否
以上、85の設問で構成されています。
令和6年度の健康経営度調査の詳しい内容は、事務局ポータルサイト(ACTION!健康経営)の以下のページからサンプル(PDFファイル)をダウンロードできます。申請前から設問内容の詳細を知りたい方はご確認ください。
調査票はどこで手に入る? 提出の仕方は?
健康経営度調査票は、事務局ポータルサイト(ACTION!健康経営)からダウンロードできます。専用サイトで健康経営度調査をダウンロードし、必要事項を入力した電子データを専用サイトにアップロードしてご提出ください。
フィードバックされる内容
健康経営度調査に回答すると、フィードバックシート(評価)を受け取ることができます。自社が回答した内容を元に評価が掲載されたシートが届きます。
- 健康経営度評価結果(総合順位・総合評価)
- 評価の内訳(4側面の評価・偏差値)
- 評価の変遷(直近5回の評価)
フィードバックシートのサンプルも、事務局ポータルサイト(ACTION!健康経営)からダウンロードできます。
参考記事
いかがでしたか?はじめて健康経営優良法人認定制度(大企業部門)で申請する担当者の方にとっては、健康経営度調査が一体どんな内容なのか、知っておきたい情報だと思います。上記のサンプルを活用して、これからの取り組みついてイメージできるように役立てれば幸いです。
この他にも、健康経営に関する記事を分かり易くまとめておりますので、次のコンテンツもぜひご参考ください。